今日の話は少しこわいので、見たくない人は見ないで欲しい。
私の幼馴染は姉弟で視える体質だ。
小さい頃、2人で遊んでいたら家の中に誰かが入ってきて、2人が居た部屋を思いっきりノックされたらしい。ノックしたのは明らかに家族ではない、とお互いに感じた彼らは、勇気を出して『誰?!』と叫んで聞いたものの返事はなく、ただノックが続くだけだった。こわくなった2人は、部屋のベッドに隠れ、その何かの襲撃に備えたらしいが、しばらくするとフッと気配が消えたと言う。あまりにこわかったので、リビングにいた父親に『さっきノックしたの誰?』と聞いたら「誰も部屋には行ってないよ」と返されて余計にこわかった、と今でも怯えながら話してくれる。
『この思い出の中でいちばんこわいのは、この時お互いに会話をしていないところだよ。どちらか片方の気の所為、ではなくて、共に同じタイミングで同じ体験をしたんだ。』
幼馴染弟は、今は全く視えないしそういうのは分からない、と言っていたが、正しくは『今は全く視たくないし、分からない振りをし続けたい』だと思う。彼はかなりのビビりだからだ。
一方、幼馴染姉は今でも時折感じるらしい。『あっここやばいな』とか『…誰か見てるな』とか思うらしい。本人は『何も知らないふりをするので向こうも相手にしてこない』と言っていたが、それでもひとり暮らしをしているとこわいと感じてしまうようで。
『めちゃくちゃ誰得な情報教えてあげよっか?後ろから視線を感じる時、あれは後ろからじゃなくて、真上から感じているんだよ』
むしろ知らない方が良かったのでは、と思うほどの豆知識を幼馴染姉の方から披露して頂いた事があるので、ここに書いてその豆知識を皆さんにもお伝えしたいと思う。
私はこの豆知識を得て以来、本当に後ろがこわくなった。
ドライヤーで髪を乾かしている時、後ろから何かの気配を感じる事が度々ある。
私も、幼馴染弟と同等レベルのビビりなので、こういう時は知らん振りを続けるのだが、そういう時に限ってさっきの豆知識が頭をよぎったりする。
もしこれで仮に、後ろに何かが居たとしよう。後ろに居るということは、おそらく立っている、座っているはずなので、一旦は『人かな?』と思うことが出来る。だが真上はどうだ。真上にいるそいつは明らかに『ヒト』ではない。この世に存在していてはいけない『何か』である事がひと目で判断出来る。
ちなみに幼馴染弟は、『視線?感じない。感じても気にしない。真上?絶対見てはいけない』と教訓のように言っていた。そこも彼らの共通認識である事が、余計にこわかった。
視線といえば、耳鳴りがしている時は霊と目が合っている時、という説を聞いた事がある。それとほぼ同じタイミングで、霊を撃退するためにはエッチな事を考えるといい、という説も聞いた。
何故これを同じタイミングで聞いてしまったのかは分からないが、それ以来、耳鳴りがする度に頭の中がエッチなことでいっぱいになるようになってしまった。情けない。本当に恥ずかしいので人には言えない。そして、100%の確率で耳鳴りが直ぐに治まってしまう。余計にはずかしい。
あともうひとつ、霊に関する説で聞いたことがあるのは、こういう話をしているところに集まりやすい、という説だ。呼ばれているのだと勘違いして集まるのだという。
…危ない。今、思わず真上を見てしまうところだった。
このままだと何か不純なものがここに溜まってしまいそうなので、今日は今朝見た夢を書いて終わりにしようと思う。
今朝寝ぼけながら、日記アプリに書き残した夢だ。
朝ごはんを食べ終わって、何故か日記アプリが開かれた状態だったので見たら、全く身に覚えはないけど、明らかに私が書いたであろう夢の内容が出てきた。
「何かの野球の歌と甲子園の歌を勘違いして、私1人歌い始めをミスり続けてたや、前で立って歌っていた香川照之から『お前違うよ』と言われた夢」
ありがとう香川照之、今日も良い夢が見られそうだ。