ただの日記

毎日が週末

2020/04/02

今日は厚生労働省のホームページに書かれていた「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解等」を読んだ。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解等(新型コロナウイルス感染症)|厚生労働省

私がこのニュースを意識し始めたのは、客船内で感染が起きた時だと思う。その後にライブハウスでの集団感染が起こって、屋形船やらスポーツジムやらでも集団感染が確認され、北海道がいち早く"緊急事態宣言"を発令。その後私は無職に、世間は週末の外出自粛要請をされるようになった、という認識だ。
記憶というものは非常に曖昧なもので、イマイチ流れは分かっていない。どの辺りで、どれくらい感染が拡大しているのか、日本がどのような状態にあるのかほとんど把握しないまま無職の1ヶ月を過ごしていた。

4月に入り、一般的には新年度と呼ばれ、あらゆる活動をスタートさせていく頃だと言うのに、私は今日も部屋でDVDを整理するぐうたら具合。少しくらい世情に目を向けてもいいんじゃないか、と思ってたどり着いたのが、厚生労働省のホームページだった。冒頭に載せてあるURLの先にある見解は4月1日付のものなので、過去の話になってしまうが、それでも今の日本を把握するには十分な資料だった。

まず、感染者の拡大状況について。連日のニュースにも取り上げられているように、新規感染者は主に都市部を中心に急増している。集団感染(クラスター感染)が次々と報告される一方、感染経路が分からない患者数も増加している、という。しかし、海外からの移入が疑われる感染者についてはやや減少気味とのこと。つまり、海外滞在者関係なく、国内だけでも感染が広まりつつあるということなのだろう。ただし、この専門家会議によれば、諸外国のような爆発的患者急増(オーバーシュート)は日本で見られないらしい。それを裏付けるグラフも掲載されていた。この患者急増は、まだ"爆発的"と表現するには小さいという意味なのだろうか。

次に、現在の対応とその問題点についてまとめられていた。現在の対応は各都道府県·自治体に任されている、というように私は読んだ。もしかしたら拙い読解力のせいで読み違えている可能性もあるが、3月19日の提言なるもので、地域毎の対応に関する基本的な考え方というものをお伝えしたらしい。伝えたものの、共通のフォーマットとなる指標の考え方が対外的に示されていない、という課題が上がったようだ。なるほど。各都道府県·自治体に対応を任せたものの、「で、うちって結局どれくらいのことをしたらいいの?」とそれぞれがそれぞれで迷ってしまったらしい、ということなのだろう。

そして、国民へは『感染リスクを下げるための行動変容のお願い』を出したものの、①「3つの密」(説明は割愛する)を避ける必要性が十分に届いていなかったこと②「コロナ疲れ」による警戒度の低下③SNSなどの活用による効率的かつ双方向の取り組みが十分に進んでいなかった、という課題が上がったらしい。

そして、この問題点を踏まえた上で新たな提言がされていた。あらゆる指標(細かく記されているがここでは割愛)を元に、地域を大きく3つに分ける。そしてその地域区分毎に対応も分けていこう、ということだった。
①感染拡大警戒地域
この地域に関しては、爆発的患者急増を生じさせないよう「3つの密」を避けるための取り組みをより強く徹底していく事が求められている。期間を決めた自粛要請や家族以外の多人数での会食、10名以上が集まる集会やイベントの参加回避などが例として挙げられている。さらには、その地域の学校の一斉臨時休業という選択肢もある、とも書かれていた。

②感染確認地域
この地域も①と同様、「3つの密」を徹底的に避けるための対策を求められるが、感染拡大のリスクが低い活動は実施する、と書かれている。ただし、屋内で50名以上が集まる集会やイベントの参加は控えること、になるらしい。また、一定期間感染拡大が収まっているように見えても、感染拡大の兆しが見えた場合には、感染拡大のリスクが低い活動も検討してほしい、との事だ。

③感染未確認地域
今までとは違い、屋外でのスポーツ観戦や文化·芸術施設の使用、イベントなどは適切な感染症対策を講じた上で、リスクの判断を行い、感染拡大のリスクが低い活動については注意しながら実施する、と書かれていた。ただし①と②同様、「3つの密」を徹底的に回避するための対策は必須。常に最新情報を取り入れ、いつ起こるか分からない感染拡大を防ぐよう、啓発することが求められている。

ここから後は、行動変容の必要性や、地域の医療提供体制の確保について、政府に求められる対応と続き、終わりに、世界で爆発的な感染拡大が起こっている中、日本でも都市部を中心に小規模な集団感染が次々に確認され、 急速な感染拡大がみられている。このため、政府·各自治体には今まで以上に強い対策を求める。また、これまでも多くの国民に自発的な行動自粛を取り組んでもらっているが、「3つの密」を避けるなど、法律化されていなかったとしても、社会を構成する一員としてそれぞれの役割を全うしてほしいというような内容が記されていた。

ここまでを踏まえて、私は疑問を抱いた。
どこにも強制するような言葉は書かれていなかった。「禁止」ではなくあくまでも「自粛」。「控えること」「検討してほしい」などやんわりした言葉遣い。そして最後の「法律で義務化されていなくても」という言葉。すごく引っかかった。厚生労働省は我々に行動変容を求めるだけで、それを決行しろ、とまでは言っていないのだ。
果たして、これで良かったのだろうか。課題として上がっていた『専門家会議での見解、「3つの密」を避ける必要性がが国民に十分届いていなかった』というのは、言い方を変えれば『新型コロナウイルスの危険性が国民に十分届いていなかった』とも言える。この課題を改善するためには、「強行」が必要では無いのか。思い切った決断が必要では無いのか。

「法律で義務化されていなくても」という言葉が引っかかったのは、高校生の頃に納得いかない校則があったからだ。
男子の髪型、ツーブロックは禁止。意味が分からない。ツーブロックで誰に何の迷惑をかけるというのだろう。明文化された校則で禁止されていたのは染髪のみだった。髪型の指定など一切なかった。でも何故か、身だしなみチェックをされる際、ツーブロックの男子は必ず違反生として対応され、髪型の変更を強いられていた。ツーブロックからの髪型なんてほぼ坊主一択である。色気付いた男子高校生が、次の日には頭を丸めてくるなんてことが多々あった。何度先生に理由を聞いても「多くの人が良いと思う髪型ではないから」だという理由のみだった。今、改めて考えても本当に意味が分からない。今時ツーブロックの男子なんてこの世に何万人もいるというのに。口が達者な生徒に追い詰められると先生は決まってこう言った。「なんだ、じゃあ校則に書いて欲しいのか?」必殺、論点ずらしだ。

…歳を経て、私も論点ずらしの技を習得したようだ。話を「法律で義務化されていなくても」の一文に戻そう。
とにかく私はこの一文から、「法律で義務化されてないけど、自粛してくれるよね?」という謎の圧を感じたのだ。正直に言おう。法律で義務化されていない以上、あまり効果は無いだろう。何故、ツーブロック禁止という暗黙のルールがあったにも関わらず、毎回ツーブロックの髪型をしてくる男子がいたのか。それは校則で明確に禁止されていなかったからだ。現状だって同じだと言える。あくまでも「外出自粛要請」なのだから、話題の映画は見に行くし、カラオケにも行くし、タピるし、マスク買い占めのために外出するのだ。
この際年齢なんて関係無い。「若者の外出」が批判されがちだが、中高年層による集団感染の方が目立ってきている。要するに、若者を批判していたオッサンオバサン、ジイサンバアサンも、結局は感染源になっていたりする。ああ、この中高年層が若年層をdisり、若年層が中高年層をdisる世界が鬱陶しい。どっちも同じ人間だ。感染すれば発症する。

今は爆発的感染拡大が起きていなくても、これから起こる可能性だって十分に考えられる。今から1か月前のイタリアも確か「自粛」といった形を取っていたはずだ。それでも人は活動を続け、爆発的感染拡大が発生し、「閉鎖」のような状態になった。もしかしたら日本もそのタイミングにいるのかもしれない。

我々、国民"全員"が自主的に自粛することは容易ではない。感染拡大を防ぐのであれば、「控えて欲しい」など柔らかい表現ではなく「やめて下さい」と表現を少し変えるだけでも、危険性を知らせることが出来るのでは無いだろうか。


今日は色々長く書きすぎた。こんなちゃんとした資料に目を通したのは久しぶりだし、自分の意見をまとめて書くことも久しぶりなので、かなり乱雑な文章になっているのだろうな、と思う。テレビやネットのニュースを見るよりもずっと分かりやすくて、ずっと納得のいく資料だった。あーだこーだ御託を並べたが、結論は、読んで良かった。

早く事態が収束してくれさえすれば、こんなに頭を悩ませたり、ギクシャクした空気が流れたり、もやもやした気持ちにならなくて済むのになあ。

早く収まって欲しい気持ちはみんな同じはずなのに。
みんなも外出自粛、してくれよなあ。